「最悪外乱を考慮したモデル予測制御則の構成」
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講演者 | 児島 晃 助教授 東京都立科学技術大学 電子システム工学科 |
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講演題目 | 「最悪外乱を考慮したモデル予測制御則の構成」 |
概要 |
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モデル予測制御は,各サンプル時刻でシステムの応答を予測しながら,好ましい制御入力を決定する制御法であり,制約を合理的に処理できる制御法として注目されてきた.そして入力信号は逐次計算し直されることから,外乱を良好に処理できる可能性を有しており,最悪外乱と対応する制御入力の関係が明らかになれば,ロバスト性の確保,制御系に合わせた目標値信号の設計が可能になると期待される. 本報告では,制約を有する線形離散時間系に注目し,最悪外乱を良好に処理するモデル予測制御則の構成法を導く.そして,最悪外乱と対応する制御入力の計算法が線形ミニマックス問題を介して与えられることを示し,さらにこれらの方策が状態の区分的アフィン関数として表現されることを明らかにする.よって,サンプル時間の短いシステムに対しては,制御入力と状態の関係をオフラインで整理し,等価な制御を状態フィードバックで施すことも可能になる.最後に,数値例を用いて制御則と最悪外乱の性質,求められた非線形状態フィードバック則を紹介する. 最悪外乱を考慮したモデル予測制御は,例えれば将棋の指し手を求める問題に共通している.相手の最強の応手を読みながら,指し手を決めれば形勢は良くなるであろうし,読みの手数が長いほど好手が見つかるであろう.本考察の目的は,外乱を有する離散時間系に対して,「局面」(状態)に応じた「指し手」の求めかたを与え,さらには「全ての局面」(任意の状態)に対する「定跡」を示すことである. |
問い合せ先 |
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藤田政之
電気電子システム工学科 電話(076)234-4848, FAX(076)234-4870 E-mail: fujita@t.kanazawa-u.ac.jp |